膝に消毒をしてもらって大きめの絆創膏を貼ってもらったあたしは、高崎くんと一緒に廊下を歩く。


「あたしね、佐野くんにオレンジ色のストラップをもらったんだ。昨日、プールの掃除を手伝ってたらあたしのポケットからスマホが落ちそうになって、それに気付いた町村さんがそのストラップをつかんだの。多分、落ちないように拾おうとしてくれたんだと思うんだけど」

「うん」

「でも、あたしはとっさに佐野くんからもらったストラップを守ろうとしちゃって……それで身体を動かしたら、近くにいた町村さんに肩が当たってあの子がプールに落ちたんだ」

「あ、もしかして昨日言ってた落し物って、翠都にもらったストラップ?」

高崎くんがはっとしたように手を叩く。