「失礼します」
あたしが保健室の中に入ると、先生は先に来ていた女子生徒の応待をしていた。
保健室の椅子にぐったりと座っているその女子は、熱があるみたいで顔色も悪かった。
「ごめんね。ちょっと待っててくれる?」
「はい」
空いている椅子に座って待っていると、背後で保健室のドアが騒々しく開く。
「すいません。何か冷やすやつください」
ドアを開けながら大きな声でそう言ったのは高崎くんだった。
「あ、早瀬さんだ」
座っているあたしに気がついた高崎くんが保健室の中にずかずかと入ってくる。
「どうしたの?」
「ちょっと転んじゃって。高崎くんこそ、どうしたの?」
苦笑いしながら訊ねると、高崎くんが制服のズボンの裾をたくし上げて足首をあたしに見せてきた。