亜子は、俺がいくら興味なさそうな返事をしても、いくら楽しそうにしていなくても。
いつも楽しそうに笑ってて。

真っ直ぐなその笑顔を向けられるのが俺で、本当にいいのかって・・・。



「この間のデート、楽しかったから・・・。また、おーちゃんとも買い物、いけたらいいな・・・」

「・・・うん」

「へへっ。やった。でも、男の子と見るところ違うよね。でも、おーちゃんとだったら楽しいかな」




亜子を白だというのなら。
俺は黒。


そんな俺は、彼女を汚していってはいないだろうか。



「私ね、幸せなの。おーちゃんが中学生の時助けてくれたからだね」

「・・・別に、助けてない」

「助けてくれたよ」



助けてなんてない。
呼び戻される記憶。


どす黒い空気の中にいたあの頃の彼女、そして俺。