「あ、おーちゃん!」



隆弘と別れて家に向かって帰っていると、明るく弾むような声で呼び止められた。
すぐに誰のものかわかる。


「・・・こんにちは」

「こんにちは!奇遇だね!なにしてたの?」



屈託のない笑顔を向けられ少し視線をずらした。
俺には、眩しすぎるその純粋さに。




「・・・バイトの面接」

「おーちゃん、バイトするの?そっか、うちの高校バイト自由だもんね」

「うん」



彼女、亜子は当然ながら私服で、ふわっとしたワンピース姿。
ふわふわした彼女によく似合っていた。




「私はね、まぁちゃんと買い物に行った帰りなの」

「そっか」

「うん。私はいいのなくて買わなかったけど、まぁちゃんはいろいろ買ってた!」



他愛のない話。