「居場所、ないか?」

「・・・もともと、期待してない。ほしくない」



居場所。
彼女の言葉が浮かんだ。




「そうだなぁー。あ、俺の親戚がカラオケ店経営してんだけどさ。そういや最近バイト募集してるって言ってた気がする。聞いてみようか?」

「・・・いいの?」

「あ―。個人経営のところだし、仕事的にはしんどいかもしれないけどそれでも良ければ」

「いい」

「オッケー。聞いてまた連絡するわ」

「ありがとう」



隆弘は、いつだって、俺の力になってくれようとする。
俺にはもったいないくらいの友だちだ。


時々わからなくなる。
どうしてこんなにもよくしてくれるのか。

こんな俺と一緒にいてつまらなくないのか。


隆弘は、愛想もよくて明るくて、俺以外にも友達は多い。
それでも、気づけば俺の側にいて。


隣で笑ってるんだ。