「悠哉~!!」
「おっ、朱雀。悪ぃな。」
車から出てきた朱雀は、手をブンブン振りながらこちらにやってくる。
「あっ、星空(ツキナシ)ちゃーん!今日も可愛いね!」
「会う度にそれを言うのはやめてください。」
「お前ら知り合いだったのか?」
「もちろん!!」
「違います。」
やはりあちらはそう思っているか。
でもまぁ、私がそれを認めさえしなければ、それを
“友情”
とは言えない。
だから私は認めるわけにはいかない。
「何でそんなに思い詰めた顔、してるの?」
そんなことを私に言わないで。
私はこれでも無表情のつもりなの。
誰にも覗かれないように、覗かせないように、必死で守っているのだから。
「何の、事?」
少しだけ微笑んで出てきたのは精一杯の忠告。
私に構うな、覗こうとするなという、精一杯の、忠告。