「なぁ、優鶴。」
「何でしょう?」
「俺ん家、来ねぇか?」
・・・・・。
ん?
オレンジ来ねぇか?
あぁ、そりゃ来ないだろ。
オレンジは二足歩行しないだろうしね______
_____ってそうじゃない。
「俺ん家、来ねぇか?」
「・・・何で二回も言うんですか。あと、行きませんから。」
「俺ん家、来ねぇか?」
「あの____」
「俺ん家、来ねぇか?」
この人は一体何だ。
急に転校して来たって言ってもそれは一週間以上も前のこと。
もうそろそろ私が姫輝ちゃんをカッターナイフで斬りつけたって、誰かが確実に言っているはずだし、学園全体の雰囲気もそんな感じだ。
なのに____
「俺ん家、来ねぇか?」
五回目になるその言葉、氷斑悠哉のその変わらない、強い意志のある声に、私は断ると言う選択肢を無くされた。