「お前は今日から天城の姫だ。その名に恥じない振る舞いを心掛けろ。」

「はい!!ありがとうございます!!!」

明るい笑顔でそう言った姫輝の口元は、何かを企むように、その結果に満足したようにニヤリと笑った。



こりゃ、もうながくはなさそうだな。私。

どう見ても、陥れる気満々だし。

目を見れば経験上、どんな人か、だいたいわかるからね。



「優鶴。」

「ん?」

「話したいことがある。来い。」

「わかった」

遼牙に呼ばれ、私は部屋を出た。

カチャンと扉を閉め、閉められた扉の奥に耳を傾けると、楽しそうな、遼牙以外の声と、姫輝ちゃんの声が聞こえた。