「お兄ちゃん~、教科書かーして!」
「またかよ」
休み時間に俺のクラスに現れた俺の双子の妹、真北 花梨。
俺は呆れてため息をつきながらも、ロッカーから数学の教科書を出して、花梨に渡してやる。
「今度ご飯おごれよな」
「しょうがないなっ、じゃあ、ありがと!」
ぱたぱたと走って戻っていく妹を見て、席に戻る。
その途端に、何人かが俺の机に群がってくる。
「花梨ちゃんかーわいいなぁ、ホント」
「まじ可愛いし、お前もイケメンだし、いいよなー。なんなんだよお前ら」
「いや、ただの双子だけど」
「ずるいわ」
ぱしっとなぜか頭を叩かれる。