「さんきゅ。じゃあ俺らはこれからも友達、だな」


少し寂しそうに笑うから、なんだか抱き締めたくなる。


でも、あたしがそんなことをする資格はないから。


だから、握手だけした。


「んじゃ、俺は戻るわ。後は二人で好きにしな」


ひらひら手を振って、教室を出ていく雅。


ドアが閉じられ、雅の姿が見えなくなって、はた、と今の状況を思い出す。


あれ、あたし、はるちゃんに、雅のこと説明してないし…、それに別れる、って。


「あ、えと、はるちゃん?」


「さぁ雛、全部言ってもらおうか」


「ひぇ、は、はぃ…」


悪魔顔したはるちゃんがそこにいた。


まだ怒ってたの、はるちゃん。



「その前に、聞きたいんだけどな」