「はるちゃん、雅のこと離してあげて」
「…雛。悪い、頭に血上ってた。すまない、倉坂」
「しょうがねぇな~。先生より、よっぽど俺のほうが大人だろ。
…雛乃、この間はごめんな。俺、悔しくてよくわかんなくなっちまった」
雅の切ない瞳に見つめられて、あたしはまた涙が出てきた。
「あたしも…ごめんなさい。気持ちには答えられないよ」
「知ってた」
雅に駆け寄り、あたしは言った。
「これからも、友達で、いい?」
恐る恐る、見上げるように言うとなぜか雅は顔を赤くした。
「お前さぁ、ほんっと…。まぁいいや…、俺、友達でいいわけ?あんなことしたのに」
「それはさっき仲直りしたじゃん」