「雛乃は、俺を選んだんだよ」
雅の言葉にびっくりして、目を見開く。
なに言ってるの、雅!
あたしそんなこと一言も…。
挑発するように笑った雅は、はるちゃんを見上げている。
「は?雛が、倉坂を?」
はるちゃんが眉を寄せて、あたしと雅を交互に見る。
「そうそう。だからあんまり追及すんなよ。自分を傷つけることにもなりかねないぜ?」
「やめてよ、雅!」
あたしが叫ぶと雅は一瞬悲しそうな顔をした。
「お前は黙ってろよ雛乃」
「やだよ、やだ!」
はるちゃんに、別れようとは言ったけど、雅を好きとか…誤解してほしくない。
「…ふざけんなよ」
今まで聞いたことないくらい低く、はるちゃんは呟いた。