「お前、なんだよ、あの手紙」
「よ、んじゃったの?」
読むのはお昼以降にしてほしかったけど、確かにロッカーなんか使うからすぐバレるか。
あたしのばか。
もっと考えておけばよかった。
「読んじゃったの、じゃない。なんだよどういうことだ、説明しろ、納得させろ」
すごい怒ってる。
授業でも見たことないよこんなの。
一歩後ろに下がっただけで、逃げんな、って引き寄せられる。
あの手紙には、雅のことは一切書いてない。
ただ、もう終わりにしよっか、危険だよ、別れよう。
ってことを書いた。
「はるちゃ…、怒ら、ないで…」
ぽたっぽたっと涙が床に落ちていく。
頑張ったのに、無理だ。
はるちゃんに会ったら、無理だ。