「ちょ、い待て!雛!開けてくれ!」
「やだ!今は会いたくないの!」
ていうか、ボサボサもパジャマもこの顔も見られた!?
あぁぁ、恥ずかしいし、一生の不覚!
だってはるちゃんだなんて思わないもん!
「…じゃ、いいよ。このまま話すから、聞こえてるみたいだし」
聞こえてるよ、はるちゃんのくぐもった声。
「雛が返事返してくれないから、授業終わって速攻で来たんだぞ。返事ないってか、学校来てなかったし」
「…」
「なんだよ?俺、なんかしたか?」
「なんもしてないよ…」
玄関に寄りかかったまま、ずるり、と座り込む。
はるちゃんはなにもしてない。
なにも悪くないの。