大笑いしながら歩いていると、スカートがはためくのを感じた。
風は、かなり出てきているらしい。

「えーっと、あれ? ど忘れど忘れ……何を話すんだったっけ」

加奈ちゃんは本当に忘れきったようで、うーんとうなっている。

「由実ちゃんの話だよっ。ふふ、加奈ちゃんおじいちゃんみたい」
「う、うるさいな」

助け舟+小言で、加奈ちゃんはぷうっと頬をふくらます。
何だか緊張の糸が、プツンと切れてしまったようで、わたしは立て板に水の如く、しゃべくりだした。

「わたしね、朝思ったんだけど……やっぱ、由実ちゃんは冷たいと思うの。それに、気に入らない子の悪口とか全然平気で言っちゃうでしょ。今日も、加奈ちゃんが用事がある、って先に行っただけなのに、つきあいワルイとか平然と言ってたし……」
「ハァ!? マジ!? アイツ……許せん!」

わたしの漏らした新着情報に、加奈ちゃんは一気に怒りのボルテージをあげる。