「瑞樹……、さっき、剣道部が走ってるの見たけど、本当にいいの?」
「もういいんだ。一日くらい、多分大丈夫」
「そっか……。で、話したいことって?」
「それなんだけどね……」
やっぱり親友のわたしたちは、距離を一瞬感じたとしても、すぐさま元通りになることが出来る。
朝のような、苦い思いももうなかったし、加奈ちゃんもこちらを笑顔で見ていた。
「わたし、今日トシオに怒られたの。そんでね、アイツ何て言ったと思う? 由実ちゃんみたいな子といるから、こんなゴムで髪を結ぶんだろうって」
わたしは今日の朝以来、胸ポケットにしまい込まれていたくだんのゴムを、さっと取り出した。
ラメが散りばめられていて、別に普通に可愛い、何ということのないゴム。
だけど、これにトシオは激怒し、わたしは怒り狂うヤツに反抗した。
世の中、案外バカみたいなものだ。
くるくるとわたしの指の中に舞うゴムを見つめ、わたしは漠然とそう感じた。
「もういいんだ。一日くらい、多分大丈夫」
「そっか……。で、話したいことって?」
「それなんだけどね……」
やっぱり親友のわたしたちは、距離を一瞬感じたとしても、すぐさま元通りになることが出来る。
朝のような、苦い思いももうなかったし、加奈ちゃんもこちらを笑顔で見ていた。
「わたし、今日トシオに怒られたの。そんでね、アイツ何て言ったと思う? 由実ちゃんみたいな子といるから、こんなゴムで髪を結ぶんだろうって」
わたしは今日の朝以来、胸ポケットにしまい込まれていたくだんのゴムを、さっと取り出した。
ラメが散りばめられていて、別に普通に可愛い、何ということのないゴム。
だけど、これにトシオは激怒し、わたしは怒り狂うヤツに反抗した。
世の中、案外バカみたいなものだ。
くるくるとわたしの指の中に舞うゴムを見つめ、わたしは漠然とそう感じた。