カケルくんに少しだけ、いや、ものすごくかもしれない、元気をもらった。
トシオが席につきなさい、と言いながら教室に入ってきて、みんな朝のわたしのことがあったからか、静かに素直に着席した。

「……左右田。何か、言うことはないか」

教卓に両手をつき、開口一番、わたしに咎めるような顔を向ける。
わたしも、ここは謝っておくのが良策、と思い
「すみませんでした」

「よろしい」
トシオはもう、これ以上何かを言おうとはしなかった。


             *


机を後ろにつって、掃除の時間が始まる。
わたしは今週は掃除がないので、早く部活に行こう、と思ったものの、やはりどこか気持ちが進まず、窓から外を眺めていた。