「こんな、キラキラしたゴムで髪をしばって、何になるというんだ! そもそも、私はお前がタチの悪そうな生徒と、つるんでいるのを何度か見かけている! それについても、教えてもらおうか」

勝ち誇ったように、トシオはわたしの前でフッと鼻で笑う。
痩せ型で、顔にも肉がついていない分、余計に根性が悪そうな笑い方。

お前、と言われたことにも腹が立ち、わたしも反論を試みる。
「キラキラぐらい、何も害がないんだからいいじゃないですか! だったら、先生はこれで誰かが死ぬとでも思うんですかっ? それに、あの子たちはわたしの友だちです。わたしの交友関係なんて、あなたには関係のないことだから、いいでしょう」

言って、しまった、と思ったことが2つ。
一つは、死ぬ、という言葉をまたもや安易に使ってしまったこと。
もう一つは、由実ちゃんたちを友だち、と公言して弁護してしまったこと。

一歩も譲らないどころか、牙をむいたわたしにトシオはひるんだが、やがて、
「勝手にしろっ! 覚悟はあるんだろうな?」

脅しまでかけてきた。