「みずきが覚えてないだけでしょ。いつか、わたしは顔とかがいいだけの人って、キライだなーなんて言ってたじゃない。それに、アタシはいつも今野先パーイッて言ってたし! いまさら、みずき、取りたいなんて言わないわよねっ?」
「……いっ、いわないよ! ただ、昨日見て、カッコいい人だなって思っただけ」
「そう、ならいいけど」
わたしったら、またも嘘ついちゃった。
由実ちゃんも由実ちゃんだ。
別に付き合っている彼女というわけでもないのに、どうして今野さんを所有物みたいに言うんだろう。
取りたい、なんて人聞きの悪すぎる……。
とりあえず、今野さんの有名ぶりはよーくわかった。
1年生から3年生まで、主に女子を中心として人気の高い今野さんは、それでも今は彼女ひとりもいない、ということも。
由実ちゃんが一番気合をいれてその話をしているあいだ、わたしは心が晴れるような気分にもなったけど、すぐに重苦しいものがのしかかるように感じた。
「……いっ、いわないよ! ただ、昨日見て、カッコいい人だなって思っただけ」
「そう、ならいいけど」
わたしったら、またも嘘ついちゃった。
由実ちゃんも由実ちゃんだ。
別に付き合っている彼女というわけでもないのに、どうして今野さんを所有物みたいに言うんだろう。
取りたい、なんて人聞きの悪すぎる……。
とりあえず、今野さんの有名ぶりはよーくわかった。
1年生から3年生まで、主に女子を中心として人気の高い今野さんは、それでも今は彼女ひとりもいない、ということも。
由実ちゃんが一番気合をいれてその話をしているあいだ、わたしは心が晴れるような気分にもなったけど、すぐに重苦しいものがのしかかるように感じた。