パズルのピースがぴったりとはまるような、この感覚。
頭の中で解決されなかったことが、他者からの意見で的を射られた。

恋、恋、こい……。
十人並みの容姿で、おしゃれに興味もなければ、男の子にも興味がない。
そんなわたしは、今まで誰かに告白されたことはおろか、自分で誰かを好きになったことすら、なかった。
由実ちゃんや、クラスの誰かの恋愛の話を聞くときも、耳栓をしたいような衝動にかられたことも何度かあった。

恋をすると、幸せそうではあった。
けれど、わたしはそれが出来なかった。
このことが、コンプレックスでもあったけど、心のどこかで安心もしていた。

だって、由実ちゃんも大野さんも、ミーも、泣いていたから。
幸せの代償は、涙なんだろう、としたこともない恋のほろ苦さを、彼女たちのぽろぽろとこぼれ落ちる雫から悟った。

恋さえしなかったら、こんなに泣くほど苦しいこともないだろう。
本気で、本当に、そう思った。
ただ、これは自分の欠陥をどうにか正当化するような、見苦しい抵抗のようでもあった。