「イヤもなにも……いきなり……そんな」
「いきなり? そうかしら。いつも、2人で悪口言ってたじゃん。あれ、嘘だったの? あたし、瑞樹も同じ考えでいてくれると思ってた」

確かに、いつも由実ちゃんといるの辛いね、と慰めあってはきたけれど。
こうやって選択を迫られると、ひっこんでしまう自分がいる。

加奈ちゃんはもう、心を決めているのに。
わたしの決断を、待ってくれているというのに。

「まだ……中2だし。来年、どう? 3年生になったら、もっと関係も薄くなるだろうから……」

「今、はダメなの? なんか、瑞樹らしくない」
「わたし……らしい?」
「そう。いっつも、決めて即行動! って感じだったのに、由実と知り合ってから、弱くなったような気がする」

そうかもしれない。
少なくとも小学校の頃は、今よりノビノビ生きていた。
友だちにも困らなかったし、こんなにヒヤヒヤしながら友だちの話をすることもなかった。