「お疲れ様。」

玲奈が私の背中を叩く。

「痛いよ、玲奈。」

私が苦笑しながら振り返ると、意地悪な笑顔をした玲奈が立っていた。

「進展した?応援してるんだよ?」

笑いながら言われると、ちょっと複雑だ。

「全然。上手く話すこともできないよ。」

「あららー。ファイト!」

「なにが?」

『武くん!?』

また現れた武くんに私はびっくり。

玲奈は笑っていた。

「武くん、部活さぼって何してんのー?いけないんじゃないのかなあ?」

玲奈が武くんに尋ねた。

完全にバカにしてる。

「え、いや……。」

武くんが目をおよがせる。

玲奈は武くんから一歩離れて、

「サボりに来てるんだ?」

と、言った。

武は

「ちがう!俺は……っ!」

そう言うと、遥のほうへ走って言った。

「どうしたんだろ?」

私がつぶやくと、

「さあ?そのうちわかるよ。」

玲奈はまた笑った。