ネオンの輝く街をまともに歩くのは、初めてのことだった。

補導されないように、背伸びしてみた化粧も――きらびやかな風景の中では、まるでくすんでしまうようだった。


「今日は朝までな!」


それに比べ、街の中にすんなり溶け込んでしまうカイ先輩に、

大人と子どものような壁を感じてしまい、あたしはまた複雑な気持ちになってしまった。












「じゃあ、乾杯しますか」


幹事のカイ先輩セレクトのお店は、飲み放題で食べ放題という、あたしやリュウくんにとっても嬉しいもの。

料理が運ばれてくるとすぐにみんな飲み始め、気づけばリュウくんまでアルコールを手にしている。


じゃああたしも……と手を伸ばしたところで兄貴に怒られた。


「学祭……今年はどうするよ?模擬店の詳細を、学校に書類で提出しないといかんし」


ようやく本題に入り、その途端みんな静かになった。


「他より面白いことして、お客の気を引かねぇと……」


学校からの部費の援助が少ない同好会は、こうでもして今後の部費を集めなければならないのである。