「今まで車、何台くらい乗ったんですか?」
「――これで5台目。最初のやつはエンジンブローで壊れて……あとのやつらはみんな、サーキットか山で練習中に事故った」
「経験豊富なんですね……カイさんって」
「でもな、こいつが一番長く乗ってんだぜ。もう一年半になるよ。大事な、相棒」
そう言って、カイ先輩はハンドルをバシバシ叩いた。
「たまに調子悪くなったりもするけどね。エンジンがじゃじゃ馬だから。でも――そんなとこも可愛く思えてくるから不思議なんだよ」
カイさんは、部員の中でも一番の“車バカ”だ。
だれよりも車に詳しいし、整備だってひとりで何でもしてしまう。
「――なんで、この車を選んだんですか?」
カイさんの乗るC33ローレルは、あまりサーキットで見かけるような車ではない。
もとは高級車なのに、スポーツカーのような仕様になっている。
「安かったから。それが一番。練習するための車だって割り切って、安いの探したの」
「――これで5台目。最初のやつはエンジンブローで壊れて……あとのやつらはみんな、サーキットか山で練習中に事故った」
「経験豊富なんですね……カイさんって」
「でもな、こいつが一番長く乗ってんだぜ。もう一年半になるよ。大事な、相棒」
そう言って、カイ先輩はハンドルをバシバシ叩いた。
「たまに調子悪くなったりもするけどね。エンジンがじゃじゃ馬だから。でも――そんなとこも可愛く思えてくるから不思議なんだよ」
カイさんは、部員の中でも一番の“車バカ”だ。
だれよりも車に詳しいし、整備だってひとりで何でもしてしまう。
「――なんで、この車を選んだんですか?」
カイさんの乗るC33ローレルは、あまりサーキットで見かけるような車ではない。
もとは高級車なのに、スポーツカーのような仕様になっている。
「安かったから。それが一番。練習するための車だって割り切って、安いの探したの」