「打ち上げ?」


「うん」


あたしも呼んでくれたっていいのに……
とっさにへこんでしまった。


「打ち上げ……」


悲しい気持ちがもろに表に出てしまった。

そんなあたしに気づいてなのか、リュウくんはのんきにつぶやいた。


「みんなね、キャバクラ行きたいんだって。だからおれと中林を早く帰したいんだよ」



キャバクラ……?


心にふつふつと怒りがこみあげてきて――その怒りがピークに達したその瞬間、運良く(悪く?)、カイ先輩が再び部室に入ってきた。


「おーい、かおる〜!大丈夫か?お前もう帰っていいぞ〜」


「……先輩……!」


あたしの怒りの矛先は――それはもちろん大好きなカイ先輩に向けられた。

先輩にキャバクラなんて行ってほしくないんだもん。


部室の奥では、リュウくんが笑いながらこちらの様子を見守っている。


「どした?」


「打ち上げ……キャバクラ行くんですか!?」


「え……あれ?」


明らかに先輩は、気まずい顔をしている。

どこからばれたんだ?、みたいな。