その日の放課後、たまたま昇降口でリュウくんに会って、そのままふたりでモ会の部室に行くことにした。
自分の中にある混沌とした感情を抱えたまんま、カイ先輩にどんな顔をして会えばよいのだろう、と悩むものの、
やっぱりいざ会ってしまえば、自然と笑顔になって、先輩のそばに寄り添ってしまう。
「おお、薫!おまえ具合はもう大丈夫なのか?」
やっぱり今日もそれは同じ。
眉間にあったシワも、胸の中の不安も――カイ先輩の笑顔で、全部吹き飛んでしまう。
「はいっ!復活しました!ご心配かけてすみません」
「よかったよ。しかし台風の日はごめんな」
「いえいえ、むしろありがとうございました!送っていただいて助かりましたよ」
煙草を握る先輩の右手――やっぱり、指輪はもうなくなっていた。
「おれも、もうふっきれたから。心配かけてごめん。薫にいつまでもウジウジ言ってられないしな」
少し驚いたが――あたしは静かにうなずいた。
自分の中にある混沌とした感情を抱えたまんま、カイ先輩にどんな顔をして会えばよいのだろう、と悩むものの、
やっぱりいざ会ってしまえば、自然と笑顔になって、先輩のそばに寄り添ってしまう。
「おお、薫!おまえ具合はもう大丈夫なのか?」
やっぱり今日もそれは同じ。
眉間にあったシワも、胸の中の不安も――カイ先輩の笑顔で、全部吹き飛んでしまう。
「はいっ!復活しました!ご心配かけてすみません」
「よかったよ。しかし台風の日はごめんな」
「いえいえ、むしろありがとうございました!送っていただいて助かりましたよ」
煙草を握る先輩の右手――やっぱり、指輪はもうなくなっていた。
「おれも、もうふっきれたから。心配かけてごめん。薫にいつまでもウジウジ言ってられないしな」
少し驚いたが――あたしは静かにうなずいた。