今までの、お互いの寂しかった分を埋めるように、キスはその熱を増していった。




「やべ……今日、リュウがいるんだよな」


ふと、あたしの身体を離して、カイ先輩は苦笑した。

そんなカイ先輩に、あたしは胸がいっぱいになった。


「あ、あの……リュウくんなら、大丈夫です」


「……ん?あいつ、部屋にいるはずだけど」


「餌付け、しときました」


あたしは、照れながらカイ先輩の身体をぎゅっと抱きしめた。














『――お願い、って?』


リュウくんを、わざわざ公園まで呼び出した理由は、他でもなく、


『あの……夜10時くらいまで、適当に時間潰して帰ってきてくれない?』


あたしと、カイ先輩のせっかくの時間を邪魔されないために!
(邪魔されたためしはないけど)



『はあ!?おれ、テスト勉強しなきゃいけないんだけど』


『そこをどうにか!チョコに免じて……!』















「おまえもやるようになったな」


ふたりきりの部屋、
カイ先輩はにやりと笑って――もう一度、あたしにキスをした。