男同士って、女が考えてる以上に単純なのかな。
あたしにはそれがうらやましかった。
「ねぇ、カイ先輩とまた、昔みたいに戻れないかな?」
そんな寂しさから出てしまった言葉に、自分でも少しびっくりしてしまった。
「付き合う前の、仲がよかった先輩と後輩の関係に――」
あたしがこんなこと言ったって、きっとリュウくんは返答に困ってる。
でも、勝手に喋りだした自分の中の寂しさを、止めることが出来なかった。
「もうね、あたしのこと見てほしい、なんて贅沢なんて言わないの。ただ、そばにいられるだけで……」
森川さんが、“リュウじゃ相談相手にならないでしょ”と言っていたことを今さら思い出した。
またきっと、兄貴なんかやめとけって説教されるだろうなあ。
「……中林」
それに、他人にこんな愚痴をこぼしたのは初めてだ。
向かいに座るリュウくんの顔を見るのがなんだか怖くて、あたしは窓の外ばかりを眺めていた。
あたしにはそれがうらやましかった。
「ねぇ、カイ先輩とまた、昔みたいに戻れないかな?」
そんな寂しさから出てしまった言葉に、自分でも少しびっくりしてしまった。
「付き合う前の、仲がよかった先輩と後輩の関係に――」
あたしがこんなこと言ったって、きっとリュウくんは返答に困ってる。
でも、勝手に喋りだした自分の中の寂しさを、止めることが出来なかった。
「もうね、あたしのこと見てほしい、なんて贅沢なんて言わないの。ただ、そばにいられるだけで……」
森川さんが、“リュウじゃ相談相手にならないでしょ”と言っていたことを今さら思い出した。
またきっと、兄貴なんかやめとけって説教されるだろうなあ。
「……中林」
それに、他人にこんな愚痴をこぼしたのは初めてだ。
向かいに座るリュウくんの顔を見るのがなんだか怖くて、あたしは窓の外ばかりを眺めていた。