語尾が少々、女々しくなってしまったことに気がついて、あたしはため息をついた。


「ふうん」


自分から聞いたくせに、たいして興味もなさそうな雰囲気で、リュウくんはストローをくるくると回している。

それっきり、お互い特に何も話さなくなってしまった。

2階建てのマックから見渡せる、人々の行き交う街を――あたしはただぼんやりと見下ろしていた。



今ごろカイ先輩は、きっともうテストも終わって春休みだよね。

ちゃんと進級できたかな?
また留年してたりして。


長いながい春休み――
カイ先輩は、もうこっちにはいないかも。

久しぶりにちゃんと会うサユリさんと、長い休みをきっと一緒に過ごすんだ。





「そういえば――兄貴と森川さん、もういつも通りな雰囲気に戻ってたよ」


リュウがぽつりとつぶやいた言葉に、あたしは少しだけほっとしていた。


「めずらしく兄貴が謝ってた」


「そっか……よかった」