放課後リュウくんに呼び出されたのは、あの日から2週間ほど経った日のことだった。


「中林。ちょっと、いい?」


正直に言えば、あたしはリュウくんを避けていた。

しかし、見事にあたしの靴のロッカーの前で待ち伏せされてしまい、今回ばかりは避けようがない状況だった。


「――うん……」


「こないだは、ごめん……中林が一番悩んでるのに、きついこと言って」


リュウくんらしからぬ思わぬ言葉に、あたしは少々驚いていた。

リュウくんはそんなあたしに気づいたようで、


「あのあと、森川さんに怒られた……から」


と、少しふてくされたように笑ってみせた。












学校を出て、リュウくんとマックに入った。


「兄貴とは……どうなったの?」


リュウくんらしい、短刀直入な質問に、あたしは戸惑いながら苦笑した。


「……どうもなってない。あれっきり、連絡も来なくなっちゃったし」