駅前の喫茶店に入り、あたしたちは正面から向き合った。



やっぱり綺麗な人だ。

長いまつげが大きな瞳に影を落として、薄化粧の彼女の顔を、ぐっと引き立てている。

一方のあたしは、負けたくない一心で、慣れない化粧をしてみたけれど――これじゃあ、大人と子どもだ。



サユリさんはコーヒーを、あたしはミルクティを頼んで、今日の本題に入った。


「ほんとにごめんなさい。こんなふうに、わたしの勝手で来てもらって」



なにを言われるのだろう、と、家から駅に着くまで――いろいろと考えた。


あたしに内緒で、カイ先輩と会ってるってこと?

それで、勝ち誇ったような笑みでも向けられるのだろうか。


カイは、やっぱりまだわたしのこと好きなのよ、って、

サユリさんの口から、現実を思い知らされるのだろうか。



「あの、わたしがカイ……くん、と、以前お付き合いしてたことは……もちろんご存知ですよね……?」


あたしは無言でうなずいた。

カイくん、だなんて、あたしに気を遣わないでください――……