日曜だからって、わざわざ地元に戻ってくるくらいだもん――よっぽど、なにか大事なことなんだろうなあ。


一睡も出来ないまま迎えた翌朝、あたしの頭は完全にショートしていて、

サユリさんとの電話も、会うという約束も――どこか、他人事のように感じていた。



ほんとは昨日、カイ先輩に相談しようかとも思った。

サユリさんから、会いたいって、電話で言われました。

わたし、どうすればいいんですか……？



でも言えなかった。

カイ先輩に話したところで、簡単に終わるような問題には思えなかった。

むしろ、解決してしまうのは――あたしと、カイ先輩の関係のほうかもしれない。

捨てられるのが怖くて、あたしは言葉を飲み込んだ。











「――はじめまして」


待ち合わせの駅前、彼女の姿はすぐにわかった。


「あ……でもほんとは、会ったことあるわよね……。あの、真山さゆりです。今日は急にごめんなさい」


「――お久しぶりです……」


長い髪を揺らし、ぺこりとおじぎをしたサユリさんに、あたしも頭を下げた。