別に――サユリさんに会いに行ってたわけじゃなかったんだ……。

こんな状況だから当たり前なのかもしれないけれど、

でも、カイ先輩を信じることが出来なかった自分もまた――情けないものだった。


「隼人に、テスト期間にタイヤ交換なんて、また留年する気か、って馬鹿にされたわ」


カイ先輩がふくれっ面でぼやいたので、あたしも小さく笑った。


「大丈夫なんですか……?テスト勉強は」


「うん……たぶん留年はしないと思う」










その後、すっかり汚くなったカイ先輩の部屋を片付けてあげた。

あたしがこの前掃除してから、まだ2週間も経っていないというのに――この人はよっぽど、散らかすのが得意らしい。


「カイ先輩、燃えるゴミの日って何曜日?」


「わかんねぇ……そこらへんに貼ってない?」


そう言われ、部屋の入り口あたりの壁に、ゴミ出しカレンダーが貼ってないか探した。