夕飯どきの時間と重なり、平日とはいえファミレスの店内は少々混み合っていた。

案内された席につき、水が運ばれてくるよりも先に、森川さんが話をきりだした。


「……で、中林さんは何が知りたいの?」


冷たい言葉に、思わずひるんでしまった。

リュウくんから、“森川さんが心配してた”と聞いて――森川さんは、あたしの味方になってくれると勝手に信じていた。


「見たんですよね……?カイ先輩と……サユリさんのこと」


震える声でそう聞いて――森川さんの目を見るのが怖くて、あたしはうつむいた。


「……見たよ」


緊張と、真実を知る恐怖で、死にそうだった。

冬だというのに、握りしめた手に汗がにじみ、でもそのくせ、歯が鳴るほどの震えが止まらない。


「……どこで……」


「部室の近くのコンビニ。カイさんのローレルだったから間違いない」


「…………」


あたしはコンビニで買い物をするふたりの姿を思い浮かべて、

息が出来ないほどの圧迫感に襲われていた。