――と、ここでようやく、ゲームのセーブが終わったらしく、カイ先輩があたしの手からアルバムを奪い取った。


「おいおい、勝手に見んなって。恥ずかしいじゃないの」


「……びっくりしたかも。カイ先輩って、マジメくんだったんですか?」


「何言ってんだよ。今だってマジメくんじゃねぇか」


はいはい、と軽くあしらっていたら、アルバムをしまいに立ったカイ先輩が、別のなにかを持ってきた。


小さなピンク色の箱には――リボンがかけられている。

カイ先輩は無言のまま、あたしにそれを差し出した。


「……なんですか?」


「――ばか、誕生日プレゼントだよ。その為にうちに呼んだのに」




誕生日、なにが欲しい?、と――以前聞かれたとき、あたしはなにもいらないと答えた。

一緒に過ごしてもらえるだけで、それだけで嬉しいです、って。



小さな、でもずっしりと重い箱を開けると――宝石箱のような、ピンク色の香水が入っていた。