「……中止!中止!」
「え〜!言い出したのはカイさんじゃないっすか〜!」
「仕方ねぇだろ!おれはおまえらと違ってモテるんだよ」
「薫ちゃん……きっと、慈善活動なんだと思いますよ」
「え……?」
「クリスマスに誰もかまってくれる人がいないカイさんを、見るに見かねて」
でしょ?と、こちらを振り向いた高橋さんに、あたしは神妙な面持ちでうなずいてみせた。
「はい……あまりにも可哀想だったんで……」
「おい薫!それはねぇだろ……」
部室の中に笑いが起こる。
“部員公認”の仲となったあたしとカイ先輩のはじめてのクリスマスには、本人が言い出した先約(笑)があった。
カイ先輩主催の、独り身の部員で過ごすクリスマスパーティーは、意外なことにみんな楽しみにしていたらしいのだ。
「いいですよ、薫ちゃんに免じて、クリスマスパーティーは中止。だって薫ちゃんが可哀想ですもん」
高橋さんが、あたしに向かってウィンクをする。
“カイ先輩の彼女”という立ち位置にまだ慣れないあたしは、苦笑しながら頭を下げた。
「え〜!言い出したのはカイさんじゃないっすか〜!」
「仕方ねぇだろ!おれはおまえらと違ってモテるんだよ」
「薫ちゃん……きっと、慈善活動なんだと思いますよ」
「え……?」
「クリスマスに誰もかまってくれる人がいないカイさんを、見るに見かねて」
でしょ?と、こちらを振り向いた高橋さんに、あたしは神妙な面持ちでうなずいてみせた。
「はい……あまりにも可哀想だったんで……」
「おい薫!それはねぇだろ……」
部室の中に笑いが起こる。
“部員公認”の仲となったあたしとカイ先輩のはじめてのクリスマスには、本人が言い出した先約(笑)があった。
カイ先輩主催の、独り身の部員で過ごすクリスマスパーティーは、意外なことにみんな楽しみにしていたらしいのだ。
「いいですよ、薫ちゃんに免じて、クリスマスパーティーは中止。だって薫ちゃんが可哀想ですもん」
高橋さんが、あたしに向かってウィンクをする。
“カイ先輩の彼女”という立ち位置にまだ慣れないあたしは、苦笑しながら頭を下げた。