「もう線香花火だけかよ〜」
あんなにたくさんあった花火は、あっという間に底をつき、ほんの一束の線香花火だけが最後に残った。
「かおるちゃん、あとヨロシク!おれ暑いから部室でゲームしとくわ〜」
「ちょっと高橋さん!夏の終わりのセンチメンタルな気分を味わいましょうよ」
「かおるちゃんと違って、おれらって9月いっぱいは夏休みだからさ。まだまだ夏は終わらないぜ〜」
そう言って、高橋さんは部室の中へと消えて行った。
それに続くように、男どもはぞろぞろとクーラーの効いた部室へ入っていく。
「リュウくん、線香花火しようよ!バーベキューの後片付けもあるし……」
「もう束のまんま火つけちゃいなよ。後片付けは明日すればいいし。中林も蚊にさされるから早く来れば」
蚊が入るし冷気が逃げるから、という理由で無情にも部室のドアは閉められてしまった。
「みんな、薄情だよなあ……」
ふくれっ面でぼやいたら、急にあたしの手の中の線香花火が抜きとられた。
「あ……」
驚いて振り向くと、後ろには優しい笑顔のカイ先輩が立っていた。
あんなにたくさんあった花火は、あっという間に底をつき、ほんの一束の線香花火だけが最後に残った。
「かおるちゃん、あとヨロシク!おれ暑いから部室でゲームしとくわ〜」
「ちょっと高橋さん!夏の終わりのセンチメンタルな気分を味わいましょうよ」
「かおるちゃんと違って、おれらって9月いっぱいは夏休みだからさ。まだまだ夏は終わらないぜ〜」
そう言って、高橋さんは部室の中へと消えて行った。
それに続くように、男どもはぞろぞろとクーラーの効いた部室へ入っていく。
「リュウくん、線香花火しようよ!バーベキューの後片付けもあるし……」
「もう束のまんま火つけちゃいなよ。後片付けは明日すればいいし。中林も蚊にさされるから早く来れば」
蚊が入るし冷気が逃げるから、という理由で無情にも部室のドアは閉められてしまった。
「みんな、薄情だよなあ……」
ふくれっ面でぼやいたら、急にあたしの手の中の線香花火が抜きとられた。
「あ……」
驚いて振り向くと、後ろには優しい笑顔のカイ先輩が立っていた。