そこで結局、寒い寒いと文句を言いながらも買ってきたお弁当をふたりで食べた。
するとどこからともなく大きな野良犬がやってきて、あたしたちの前に、ちょこんと座った。
「森川さん……あたしたち、狙われてます」
尻尾をぶんぶん振りながら、わん!と賢そうに吠える。
ちょっと大きいカラダにびびってしまい、おそるおそる森川さんのほうを向くと――彼は、今までに見たことない顔をしていた。
「……可愛いな!こいつ」
彼はいつの間にか地面に座り、野良犬だというのに身体をはって戯れている。
「おすわり」
自分のお弁当の中から唐揚げを取り出し、一通り芸をさせた後にワンちゃんに与えた。
「人に慣れてますね」
「うん。きっと観光客から可愛がられてきたんだろうね」
あげた唐揚げを綺麗にたいらげたワンちゃんは、さらに森川さんにじゃれついてきた。
そんなワンちゃんに、森川さんは手を広げてみせる。
「はは、シロ。もうエサはないよ。ごめんね」
いつの間に名づけられていたそのワンちゃんが可笑しくて、あたしは久しぶりに声をあげて笑った。
するとどこからともなく大きな野良犬がやってきて、あたしたちの前に、ちょこんと座った。
「森川さん……あたしたち、狙われてます」
尻尾をぶんぶん振りながら、わん!と賢そうに吠える。
ちょっと大きいカラダにびびってしまい、おそるおそる森川さんのほうを向くと――彼は、今までに見たことない顔をしていた。
「……可愛いな!こいつ」
彼はいつの間にか地面に座り、野良犬だというのに身体をはって戯れている。
「おすわり」
自分のお弁当の中から唐揚げを取り出し、一通り芸をさせた後にワンちゃんに与えた。
「人に慣れてますね」
「うん。きっと観光客から可愛がられてきたんだろうね」
あげた唐揚げを綺麗にたいらげたワンちゃんは、さらに森川さんにじゃれついてきた。
そんなワンちゃんに、森川さんは手を広げてみせる。
「はは、シロ。もうエサはないよ。ごめんね」
いつの間に名づけられていたそのワンちゃんが可笑しくて、あたしは久しぶりに声をあげて笑った。