さくらside
やばい、全然寝れなかった………
眠い目をこすりながら学校へと向かう。
昨日の夜は、疲れて本当に眠たかったのに全く眠れなかった。
………戸山くんの顔が頭から離れなくて。
────俺と付き合って
そう言った戸山くんの目は、とても真剣で、何もかも見透かされそうだった。
怖かったと思う。
私は吉澤先生が好きで、そのことは戸山くんも知っているのだから。
他に好きな人がいるとわかっている相手に告白するのは、とても勇気がいること。
それでも戸山くんは、私から一度も目をそらさなかった。
それは、本気で私のことが好きだということを示していた。