あー、だれかやんねーかな。 なかなか決まらない様子に実行委員もすっかり困り果てている。 俺はさくらを見た。 リレーのアンカーなんてさくらがやるとは到底思えなかったけど、 なぜかさくらの方を見てしまった。 さくらはじっと前を見据えている。 やっぱりやるわけねーよな。 そう思いながらさくらから視線を外したそのとき。 「私やります」 凛とした声を放ちながら手をあげたのは、なんとそのさくらだった。