「え?今の音何おねーちゃ……」






これは自分が発した音なのには間違いない。けど、なにが起きたのか分かるまでに数秒かかった





文乃の目の前にある…いるのは、巧よりも少し身長が高いくらいのスーツを着た細身の男だ。







「なにやってんだ貴様。」




え…貴様   って言われたよね


「ちょっと、お姉ちゃん!早く避けたほうが…」




「あ!うん。

あの、すいませんでした!私はちゃんと前見てなくてそれで」


文乃が恐る恐る顔を上げる




えっ






文乃はすぐに察した。目の前にいる人は巧の息子の颯馬で



輪郭や、目鼻立ちがはっきりして、薄い唇に整えられた眉毛

女性が100いたら間違いなく全員が彼を美男とよぶだろう




「颯馬…さん」






「俺から離れろ、女」