けど……
女友達がいないのは、あながち間違ってない　





「あなたに言われる筋合いはないです…。けど、あなたの言うとおりです。いつからか、私が男子たちを手玉にして遊んでるとか、体売ってるとか…子も葉もない噂が立ち始めたんです」


誰か言い始めたのかは分からないけど、きっと女子だよね





男子生徒が文乃に恋心をもつことで女子に反感を買わせてしまうのは仕方のないことでもあった。


「それで、さっきみたいなことがあったんだから、もっとひどい噂が立ちますよ。」



颯馬が言う


「たとえば？」

くっ…と文乃が顔をしかめる



「柳原株式会社次期社長に…その…厭らしいことしてるとか…、付き合ってるとか…そういう感じの噂」


そうか…と颯馬が大きく息を吐きながらいった




全部あなたのせいよ…
どうしてくれるのよ

内心で文句をいっていると





「じゃあその噂を事実にすればいい。

俺達、付きあおう」




え


「今なんて…」

　

「俺と、お前が付き合えばいい。
とりあえず行くぞ」


颯馬が車を発進させる



「それはだめよ！ってきゃーー！スピード早いってば！ここ普通の道路！わかる？あなた次期社長でしょ！？ちょっとー！！」