柑菜が走って行ってから、また心臓の痛みに襲われた




「ハァッハァ…いッた、いッ」





酸素がうまく吸えない




頭がぼーっとする





なんとか起こしていた体も、もう限界で横に倒れた





バタバタとひびく足音




「咲!」



翔琉の顔が見えた瞬間、なぜか涙が止まらなくなった





「すぐ運ぶから!意識は保て!」




「ハァッハァッハァハァ」




「深呼吸!」



「ハァッ…ハァハァ」




怖いよ… 翔琉が怖いよ…




どうしてそんなに怒鳴るの…?



怒らないで…





まだわからないの…?


お医者さんならわかってよ…





陽菜ちゃんのウソくらい



気づいてよ