【始業式前夜】

『なぁ。僕の宿題ってそっちに忘れてない?』

『い…いや?忘れてますんけど』

『返せ』

『勇者よ…。宝物が欲しくば我に服従しろ』

『やい魔王。僕の恩を忘れたか!』

『ふふふふふ…。そんなものは知らん!』

『じゃ、決闘な』

『かかってこーい!』

『ザキ』

『ぐわぁぁぁぁ〜…ってずるいじゃないの!』

『どうだ?まいったか?』

『甘いわね。魔王たるもの、親の墓にも参らないわ』

『じゃ、参ったから部屋のドア開けてくれ』

『もう来たの!?』

『いや嘘だけど』

『ちょっと!ドア開けて誰も居なかったんだけど!
なんか、あたしだけ馬鹿みたいじゃない!』

『そんなに一気に開けたのかよ』

『蹴破ってやったわ』

『ドアを大切にしろ!…ってそんなに僕に会いたかったのか?』

『宿題を』

『おいぃぃいい!僕の宿題に何してくれてんだぁ!』

『ざまーみろ♡』

『…よし。今からぶっ飛ばしに行ってやるから待っとけ』

『返り討ちにしてやる』