【究極の選択】

『ねぇ!空を飛べるようになるか、100億円もらうかどっちがいい?』

『いや、なんだよ藪からスティックに』

『ルー大柴か!まぁね。ふと思ったから質問しただけよ』

『んー…100億円?』

『えー…空飛べたらめっちゃ便利じゃん』

『一人で飛んでもつまらんだろぅ』

『あー。それもそうだね』

『僕は1億円で豪邸を建ててそこに暮らす』

『うっわ…実用的すぎてつまんな!』

『うっせーな』

『ま、現実じゃありえない話なんてしてもつまらないのは当たり前よね』

『飽きてんじゃねーか!』

『じゃ、一生独り身で死ぬがいいか、結婚した挙句、妻に先立たれ、子供に嫌われて生きるのがいいかどっちがいい?』

『マイナスの意味で究極の選択だな!』

『でしょ。どっち?』

『んー…どっちがいいとかじゃなく、選択の余地なしで後者になるだろうな。現実的に考えて』

『え"っ?なんで』

『僕が独り身で死ぬとかありえないだろ』

『あー…なるほどね。あたしがあなたを殺すからね!どう頑張っても独りじゃないわね』

『怖い未来を想像してんじゃねぇ!』