ぷつり、と頭の中で音がして。
視界が白く染まった。
──────
──……
明くる朝。
部屋に戻るとそこには既にあげはが居た。
ひどく、やつれた様子だった。
「あげは?」
声をかけると、少女はゆっくり振り返る。
「姐さん……」
あげはの周りには、彼女の荷物がまとめてあった。
「──どうしたの?」
「……楼主さまに、新造から正式な籠女になったから、お座敷も移らなければと言われて……」
そこまで言って、あげはは堪らず珠喜に抱きついた。
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