「あげは、今日の夜は楼主様の処へお行き」


「なぜ?」


「──蝶になる為に。わたくしが、あなたの側に居られなくとも良いように」


「姐さん、居なくなってしまうの?」


「──いつかはね。だから、蝶になって次の華から蜜を貰わなくては」