この笑顔を独り占めだなんて…


心臓が持たないぐらいだ。


半分までみかんの缶詰を食べると、美眞の熱はだいぶ下がっていた。


ふと、アタシの肩に寄りかかる美眞。


もしかして…甘えられてる!?



『ごめん…少し、こうさせて』


「う、うん」



やばい。


心臓の音、聴こえちゃうって!!


ど、どうしよう。

とりあえず深呼吸!?


でも、そしたらバレるし…



『お前の隣…落ち着く。』


「え?」


『お前を選んでよかった。』



不意に言われた言葉。


美湖ちゃんじゃなくて…アタシで?



『昨日の晩から熱が出てフラフラで、もう一人じゃしんどくてさ…』


「そんな…」


『誰か呼ぼうにも身体が重くてさ。』


「…」



そこまでしんどかったなんて…


アタシには側ですぐに心配してくれる人がいるのに…


美眞は一人で耐えなきゃいけないなんて…



『でも…お前が側にいたら…楽になるかなって思ってさ。』


「…っ」



嬉しい。


そんなこと思ってくれていたなんて…