毎日、学校では笑ってても美湖は、放課後に近づく度に表情が曇ってしまう。


養子にされて小学校は美湖とは違ったが、中学高校と一緒に上がってこれた。


だけど俺が全て知ったのは、高校に上がってすぐだった…


それまで美湖は何事も無かったように笑顔を振りまいていた。




『大丈夫…大丈夫だから…な?』


「ひくっ…ひくっ…」





震える美湖の肩を優しく包み込む…


辛いよな。


誰もが誰かの養子になれたからって、幸せって決まってる訳じゃない。


二度も胸に深い傷を背負った身。


俺が美湖を支える…


ずっと笑っていられるように。


心から美湖が笑えるまで。


ずっと傍にいるから…。



大嫌いな夕焼けが窓から差し込む中、それを逸らして心の中で泣いた。




-夕空 side end-