でも、距離が縮まるきっかけとなったのは、アタシが授業中に居眠りをしようとした時だった。
夕空がアタシの後頭部目掛けて消しゴムを投げたのが、全ての始まりだったね。
もう、諦めよう。
そう固く誓った時だったのに、夕空に
『その口、必ず塞いでやる。』
って、言われて…
そこからは、美湖ちゃんに嫉妬しながらも、何故か目で夕空を追って…
「ははっ、すっごく美湖ちゃんに嫉妬してた」
『俺は中下に嫉妬してた。』
「なんで創?
創は彼女いるから、嫉妬なんてしなくても」
すると夕空は目を丸くした。
『は?あいつ付き合ってんの?』
「え!?知らなかったの?
関西にいた頃から付き合ってて、今はずっと遠距離だよ」
すると夕空は恥ずかしくなったのか、アタシの肩に顔をすくめた。
か、可愛いんだけど…
『彼女持ちのやつに、勘違いして嫉妬とか…まじ恥ずかしい』
「ははっ、アタシはずっと美湖ちゃんと夕空は付き合ってるって思ってたし。」
この恋を実らすために、たくさんたくさん悩んだ。
何度も創に相談を聞いてもらったし。
泣いてばっかりだったあの頃が懐かしい。